【医師監修】AGA市販薬はどう選ぶ?発毛剤の成分・効果と治療継続のポイントについて

成人男性の壮年性脱毛症(AGA)に対する市販薬を選ぶ場合は、ミノキシジル配合の第1類医薬品が選択肢となる。

男性では5%ミノキシジル外用薬が選択肢となる一方、女性は製品ごとの使用対象を確認し、男性用5%製品を自己判断で使用しない。20歳未満は市販のミノキシジル外用薬を使用せず、医療機関に相談する。

ミノキシジル5%外用薬は日本皮膚科学会のガイドラインで推奨度Aとされ、効果実感には最低4ヶ月の継続使用が必要である。ただし、初期脱毛や頭皮トラブルのリスクがあり、進行が著しい場合や全身症状がある場合は受診が望ましい。育毛剤との分類や副作用を確認し、継続できる製品を選ぶことが重要だ。

この記事のポイント
  • AGA市販薬はミノキシジル配合の発毛剤を基準に選ぶ
  • 副作用や進行度によっては医療機関の受診が必要だ
  • 成分・分類・継続性を確認して自分に合う製品を選ぶ

この記事の監修者

杉野 智啓 医師
八丁堀内科・泌尿器科・消化器内科イサナクリニック 理事長/総院長

略歴
・防衛医科大学医学部医学科 卒業(MD)
・東京工業大学大学院 技術経営学修士課程修了(MOT)
・2025年1月 八丁堀内科・泌尿器科・消化器内科イサナクリニック 代表理事

資格・所属学会
日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医

所属
八丁堀内科・泌尿器科・消化器内科イサナクリニック

※記事内で紹介するサービス・商品は、監修医師が特定の提供元を推奨・選定したものではありません。医師監修は、一般的な医学情報の確認を目的としています。

この記事の監修者

杉野 智啓 医師
八丁堀内科・泌尿器科・消化器内科
イサナクリニック

所属
八丁堀内科・泌尿器科・消化器内科イサナクリニック 理事長/総院長


資格・所属学会
日本泌尿器科学会泌尿器科専門医


略歴
・防衛医科大学医学部医学科 卒業(MD)
・東京工業大学大学院 技術経営学修士課程修了(MOT)
・2025年1月 八丁堀内科・泌尿器科・消化器内科イサナクリニック 代表理事

※記事内で紹介するサービス・商品は、監修医師が特定の提供元を推奨・選定したものではありません。医師監修は、一般的な医学情報の確認を目的としています。

目次

AGA市販薬を選ぶ前に押さえておきたい「発毛」の基本

AGA治療を検討する際に、最初に理解しておきたいのが、市販されている商品の種類と配合成分の違いである。この点を曖昧にしたまま自己流のケアを始めると、時間や費用を十分に活かせない可能性がある。

「なんとなく髪に良さそうだから」という理由で育毛トニックを使い続ける人も少なくない。しかし、AGAは進行性の脱毛症であり、原因に合った成分で対処しなければ、進行を抑えることは難しいとされている。

そのため、市販薬を選ぶ前に、まずは医学的な観点から「髪を生やすためのケア」と「今ある髪を守るためのケア」の違いを理解しておくことが大切である。あわせて、セルフケアでどこまでの効果が期待できるのかも整理しておきたい。

育毛剤(医薬部外品)と発毛剤(第1類医薬品)の違い

ドラッグストアでは、育毛剤と発毛剤が同じ売り場に並んでいることが多い。しかし、この2つは薬機法(医薬品医療機器等法)上、明確に分類が異なる。市販薬を選ぶうえでは、この違いを知っておくことが出発点となる。

育毛剤は、医薬部外品に分類される商品である。主な目的は「すでに生えている髪を健やかに保つこと」だ。頭皮の血行を促したり、栄養を補ったりすることで、抜け毛の予防や髪のハリ・コシの維持が期待できる。一方で、新たに髪を生やす「発毛効果」は認められていない。

これに対して、発毛剤は第1類医薬品に分類される。効能・効果として「壮年性脱毛症(AGA)における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防」が承認されている医薬品である。この発毛剤に含まれる代表的な有効成分が、ミノキシジルだ。

見分ける際は、商品のパッケージ裏面にある表示を確認するとよい。「医薬部外品」と記載されていれば育毛剤であり、「第1類医薬品」と書かれていれば発毛剤である。AGAによって頭皮の透け感が気になってきた場合や、生え際の後退が目立つ場合には、第1類医薬品に分類される発毛剤を選ぶのが望ましい。

育毛剤と発毛剤の違いをまとめると、以下のとおりである。

項目育毛剤発毛剤
分類医薬部外品第1類医薬品
主な目的今ある髪を育て、抜け毛を防ぐ新しい髪の発毛を促し、脱毛の進行を抑える
有効成分例センブリエキス、グリチルリチン酸2Kなどミノキシジル
購入方法薬剤師がいない店舗でも購入できる薬剤師による情報提供と確認が必要
期待できる効果頭皮環境の改善、フケ・かゆみの予防発毛、毛髪の成長促進

参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」
参考:厚生労働省「医薬品の販売制度」
参考:大正製薬「発毛剤と育毛剤の違い」(リアップヘアケアコンテンツ)

発毛効果が認められている「ミノキシジル」とその根拠

日本国内で市販されているAGA治療薬のうち、外用薬として発毛効果が認められている代表的な成分がミノキシジルである。

ミノキシジルは、もともと高血圧の治療に使われる血管拡張薬として開発された成分だ。その後、服用した患者に多毛の副作用が見られたことをきっかけに、発毛剤としての研究・開発が進められた経緯がある。現在では世界90カ国以上で承認されており、AGAに対する標準的な外用治療薬として広く用いられている。

ミノキシジルを頭皮に塗布すると、毛包の奥にある毛乳頭細胞や毛母細胞に働きかけると考えられている。主な作用としては、血管を広げて頭皮の血流を促し、髪の成長に必要な酸素や栄養を毛包へ届けやすくすることが挙げられる。

また、毛母細胞の分裂を促すことで、ヘアサイクルにおける成長期を延ばす働きも期待されている。さらに、AGAの影響で小さくなった毛包を再び成長させ、太く健康的な髪が育ちやすい状態へ導く作用もあるとされている。

日本皮膚科学会が公表している「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」では、ミノキシジル外用薬は推奨度Aに分類されている。推奨度Aは「行うよう強く勧める」という位置づけであり、皮膚科専門医が治療方針を考える際にも参考にされる重要な指標である。つまり、ミノキシジル外用薬は、科学的根拠に基づいた治療選択肢といえる。

AGAに関連する成分としては、アデノシンやカルプロニウム塩化物などもガイドラインに記載されている。しかし、これらの推奨度はB「行うよう勧める」またはC1「行ってもよい」にとどまる。発毛を主な目的とする場合は、推奨度Aとされているミノキシジル配合薬が、根拠に基づいた選択肢になりやすいだろう。

参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」
参考:PMDA(医薬品医療機器総合機構)「ミノキシジル含有一般用医薬品の使用上の注意」

市販薬で対応しやすいケースと、医療機関の受診を検討すべきケース

ミノキシジル外用薬は、AGA対策において有用な選択肢である。

ただし、すべてのAGAに対して市販薬だけで十分に対応できるわけではない。

薄毛の進行度や症状の現れ方によっては、医療機関での治療を検討したほうがよい場合もある。

市販薬で改善が期待しやすいのは、薄毛が気になり始めた初期から中期の段階である。たとえば、頭頂部の地肌が少し透けて見えるようになってきた場合や、生え際の後退がわずかに気になり始めた場合などが該当する。手軽にケアを始めたい人や、副作用のリスクをできるだけ抑えながら発毛治療を試したい人にも向いている。

一方で、AGAが大きく進行している場合は、外用薬だけでは十分な効果を感じにくいことがある。すでに広い範囲で髪が少なくなっている場合や、抜け毛の量が明らかに増えている場合は、市販薬のみで対応するのではなく、医師に相談することが望ましい

AGAの主な原因のひとつとされるのが、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる男性ホルモンである。DHTの産生を抑える治療としては、フィナステリドやデュタステリドなどの内服薬が使われることがある。これらは市販薬ではなく処方薬であるため、使用するには医師の診察が必要だ。

市販のミノキシジル外用薬は、「発毛を促す」という攻めのケアに強みがある。一方で、「抜け毛の進行を抑える」という守りのケアについては、内服薬と比べると限定的と考えられている。そのため、市販薬を4〜6ヶ月ほど使っても変化が見られない場合や、薄毛の進行が続いている場合は、皮膚科やAGA専門クリニックを受診するとよいだろう。

医療機関への相談を検討したい目安は、以下のとおりである。

  • 市販薬を6ヶ月ほど継続しても変化を感じられない
  • 1日に抜ける髪の量が明らかに増えている
  • 頭頂部や生え際の薄毛が短期間で進んでいる
  • 20代前半以前など、若い年齢で薄毛が進行している
  • 頭皮にかゆみ、赤み、湿疹などの症状がある

これらに当てはまる場合は、AGA以外の脱毛症や頭皮トラブルが関係している可能性もある。自己判断で市販薬を使い続けるのではなく、専門医に相談し、原因に合った治療を選ぶことが大切である。

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参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」
参考:厚生労働省「e-ヘルスネット 円形脱毛症」
参考:慶應義塾大学病院 KOMPAS「脱毛症」

後悔しないためのAGA市販薬の選び方

ミノキシジルを配合した発毛剤は、さまざまな製薬会社から販売されている。リアップのような知名度の高いブランド品もあれば、ジェネリック的な位置づけの低価格帯の商品もあり、を選べばよいか迷いやすい

ただし、選ぶ際に見るべきポイントはそれほど複雑ではない。大切なのは、医学的な効果、継続しやすさ、費用面のバランスである。この3つを押さえておけば、市販薬選びで大きく失敗するリスクは抑えられるだろう。

以下では、AGA市販薬を選ぶ際に確認したいポイントを整理していく。

ポイント1:成分濃度「ミノキシジル5%」を目安に

市販されているミノキシジル製剤には、主に1%と5%の濃度がある。女性向けの商品では、副作用リスクへの配慮から1%が中心となっている。一方で、男性がAGA対策として使用する場合は、ミノキシジル5%配合の製品を選ぶのが基本である。

臨床試験では、1%製剤よりも5%製剤のほうが高い発毛効果を示すことが報告されている。たとえば、大正製薬がリアップX5の承認申請時に提出したデータでは、男性型脱毛症では、5%ミノキシジル外用薬が1%製剤より有効性を示した報告がある。ただし、効果には個人差があり、すべての人に同じ効果が出るわけではない。

価格だけを理由に1%製剤を選ぶと、効果を実感するまでに時間がかかったり、十分な改善につながらなかったりする可能性がある。その結果、「思ったほど効かない」と感じ、途中で使用をやめてしまう原因にもなりやすい。

本格的に発毛を目指すのであれば、国内で市販されている最大濃度であるミノキシジル5%配合の商品を選ぶことが望ましいだろう。

参考:大正製薬「リアップX5(ミノキシジル5%製剤)の効果を示す臨床試験データ」
参考:KEGG MEDICUS「一般用医薬品:メディカルミノキシジル5%」
参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」

ポイント2:続けやすい「月あたりの費用」で比較

AGA対策では、継続することが非常に重要である。

どれほど有用な成分を配合した薬でも、途中で使用をやめてしまえば効果の維持は難しくなる。継続を妨げる大きな要因のひとつが、毎月の費用負担だ。

ミノキシジル発毛剤は、有効成分の濃度が効果に大きく関わる。そのため、価格が高いからといって発毛効果も必ず高いとは限らない。

大手ブランドの商品が月7,000〜8,000円程度で販売されている一方、ジェネリック的な低価格帯の商品では月3,000〜4,000円程度のものもある。同一の有効成分・濃度であれば、有効成分として期待される作用に大きな差は出にくい。ただし、添加物、容器、使用感、使用対象、効能・効果、診療フォローの有無は製品や医療機関によって異なる。市販薬と医療機関で扱う薬剤を比較する場合は、国内承認品かどうか、成分・濃度、添付文書、診療フォローの有無を確認する。

たとえば、月7,500円の商品を1年間使い続けると、年間コストは90,000円になる。一方、月3,500円の商品であれば年間42,000円で済む。差額は48,000円となり、長期的に見ると決して小さな金額ではない。

項目大手ブランド低価格帯
月額目安約7,000〜8,000円約3,000〜4,000円
年間コスト約90,000円約42,000円
ミノキシジル濃度5%5%
発毛効果(理論上)大きな差は出にくい大きな差は出にくい

経済的な負担を抑えることは、治療を続けやすくするうえで重要な要素である。浮いた費用を頭皮ケアや生活習慣の改善、ストレス解消などに回すことで、総合的なQOL向上につながる場合もあるだろう。

ポイント3:毎日使いやすい「使用感」と「ノズルの形状」

AGA市販薬を選ぶ際、意外と見落とされやすいのが日々の使い勝手である。発毛剤は、基本的に1日2回、毎日頭皮へ塗布する必要がある。そのため、使用感に小さな不満があるだけでも、継続の妨げになりやすい。

たとえば、「液が垂れて顔にかかる」「髪がベタついてスタイリングしにくい」「ノズルが頭皮に当たって痛い」といったストレスがあると、次第に使うのが面倒になってしまう。発毛剤は長く続けることが前提のため、成分や価格だけでなく、使いやすさも確認しておきたい。

チェックしたいポイントは、主に次の3つである。

ノズルの形状

ノズルの形状によって、塗布のしやすさは変わる。コンパクトなヘッドは、生え際や気になる部分にピンポイントで塗りやすい。広範囲に塗れるヘッドは、頭頂部など広い範囲へ効率よく塗布したい場合に向いている。

また、クッション機能のあるタイプは、頭皮に押し当てたときの刺激が少なく、やさしい使い心地が期待できる。商品によっては、マッサージ感覚で使えるものもある。

液剤の質感

液剤のテクスチャーも、使いやすさに関わる重要なポイントだ。さらっとしたローションタイプは乾きやすく、朝の使用にも向いている。一方で、液垂れしやすいと感じる場合もある。

少し粘度のあるタイプは、頭皮にとどまりやすいというメリットがある。ただし、髪が束になったり、ベタつきを感じたりすることもあるため、自分の髪質や使用する時間帯に合うかを確認したい。

添加物や香り

清涼感や香りの有無も、毎日の使いやすさを左右する。メントールが配合されたタイプは、すっきりとした使用感がある。一方で、周囲に気づかれにくいものを選びたい場合は、無香料タイプが使いやすいだろう。

また、アルコールに敏感な人は、刺激を感じやすい可能性がある。その場合は、刺激を抑える成分が配合されているか、頭皮に合いやすい処方かを確認しておくと安心である。

発毛剤は、毎日続けてこそ効果を期待しやすい商品だ。だからこそ、自分の生活スタイルや好みに合った使用感の製品を選ぶことが、無理なく続けるための重要なポイントとなる。

参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」
参考:PMDA「リアップX5プラスネオ 添付文書」

国内で販売されているミノキシジル外用薬

ここでは、日本国内で販売されている主なミノキシジル5%配合の発毛剤を、タイプ別に整理して紹介する。いずれも第1類医薬品に分類されるため、購入時には薬剤師による情報提供と確認が必要である。

以下の製品名、販売元、価格、添加成分、容器形状、使用感は執筆時点の参考情報であり、販売状況や価格は変更される可能性がある。掲載前に、各製品の添付文書、PMDAの一般用医薬品情報、メーカー公式情報、販売サイトの最新情報を確認する。一般用医薬品の確認には、医療用医薬品情報検索ではなく、一般用医薬品情報または各製品の添付文書を参照する。

なお、この記事で紹介する価格は、執筆時点における市場価格の目安である。実際の販売価格は、購入する店舗や時期、キャンペーンの有無によって変わる可能性がある。購入前には、各販売サイトで最新価格を確認しておきたい。

参考:PMDA「壮年性脱毛症における発毛剤ミノキシジルローション5%『JG』」(シオノケミカル一般用医薬品情報)

ミノキシジル5%を主成分とした低価格帯製品

まず紹介するのは、ミノキシジル5%を主成分としたシンプルな処方の製品である。開発費や広告費を抑えることで、比較的手に取りやすい価格帯になっている点が特徴だ。

ヒックス ミノキシジル5は、参考価格が約3,000〜3,500円の製品である。ミノキシジル5%のみを配合しており、付加成分を含まないシンプルな仕様となっている。

リザレックコーワは、興和が販売する発毛剤で、参考価格は約3,500〜4,000円である。小さめのノズルヘッドを採用しているため、生え際など細かい部分にも塗布しやすい設計だ。

ミノグロウは、岩城製薬が販売している製品で、参考価格は約3,000〜3,500円である。余計な装飾を抑えたシンプルなパッケージと、コストパフォーマンスのよさが特徴といえる。

製品名販売元参考価格
ヒックス ミノキシジル5約3,000〜3,500円
リザレックコーワ興和約3,500〜4,000円
ミノグロウ岩城製薬約3,000〜3,500円

付加成分を配合した高機能タイプ

次に紹介するのは、ミノキシジルに加えて、頭皮環境を整える成分や使用感を高める成分を配合したタイプである。かゆみ対策や皮脂ケア、清涼感なども重視したい人に向いている。

リアップX5プラスネオは、大正製薬が販売する代表的な発毛剤で、参考価格は約7,800円である。ミノキシジル5%に加え、皮脂分泌に関わるピリドキシン塩酸塩、抗酸化作用や血行促進が期待されるトコフェロール酢酸エステル、清涼感を与えるl-メントールなど、7種類の有効成分を配合している。独自のノズル機構により、1回分の1mlを正確に計量しやすい点も特徴だ。

リグロEX5エナジーは、ロート製薬が販売しており、参考価格は約5,900円である。ミノキシジル5%に加えて、パントテニールエチルエーテルなどの有効成分を配合している。使用感や製剤技術にもこだわった製品として展開されている。

スカルプD メディカルミノキ5プレミアムは、アンファーの製品で、参考価格は約7,800円である。ミノキシジル5%に3種類の有効成分を加えた処方で、クッションラバーヘッドを採用している。頭皮に当てたときの刺激が穏やかで、毎日使いやすい設計になっている点が魅力だ。

製品名販売元参考価格
リアップX5プラスネオ大正製薬約7,800円
リグロEX5エナジーロート製薬約5,900円
スカルプD メディカルミノキ5プレミアムアンファー約7,800円

参考:KEGG MEDICUS「一般用医薬品:メディカルミノキシジル5%」
参考:大正製薬「リアップシリーズの歩み」(リジェンヌコンテンツ内)

使いやすさを重視したタイプ

最後に、毎日の使い勝手に配慮された製品を紹介する。発毛剤は継続使用が前提となるため、塗りやすさや匂い、液だれのしにくさなども重要な比較ポイントになる。

アロゲイン5は、佐藤製薬が販売する発毛剤である。無香料でミント感がないため、塗布後の匂いや清涼感が気になりにくい。香りのある製品が苦手な人や、職場・外出前にも使いやすい商品を選びたい人に向いている。

ラボモ ヘアグロウは、アートネイチャーが販売している製品だ。ノズルから液が出やすく、スムーズに塗布しやすいとされている。毎日のケアで手間を感じにくい使用感を重視する人に適している。

加美乃素デルタは、加美乃素本舗が販売する発毛剤である。適度な粘度があり、液だれしにくい点が特徴だ。さらっとした液剤だと垂れやすいと感じる人にとって、使いやすい選択肢になるだろう。

メディカルアップは、比較的新しいタイプの製品である。洗面所などに置いても目立ちにくいデザインが特徴で、発毛剤らしさをあまり出したくない人にも使いやすい。

製品名販売元特徴
アロゲイン5佐藤製薬無香料・ミント感なし
ラボモ ヘアグロウアートネイチャーノズルの液出がスムーズ
加美乃素デルタ加美乃素本舗液だれしにくい適度な粘度
メディカルアップ洗面所に置いても目立ちにくいデザイン

参考:PMDA「医療用医薬品情報検索」
参考:日本OTC医薬品協会「OTC医薬品の分類」

治療を始める前に知っておきたい副作用と継続のコツ

「薬を使うのが不安」「副作用が出たらどうしよう」と感じる人は少なくない。AGA治療薬については、インターネット上にさまざまな情報があり、なかには不安を強めるような内容も見られる。

しかし、大切なのは、副作用のリスクや対処法を正しく理解し、起こりうる症状を事前に知り、異変があったときに適切に対応できるようにしておくことである。

ここでは、ミノキシジル外用薬で起こりうる主な副作用と、治療を続けるなかで感じやすい不安を乗り越えるためのポイントを整理する。

ミノキシジルの主な副作用と対処法

ミノキシジル外用薬では、頭皮の発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、ふけ、熱感のほか、頭痛、めまい、胸痛、心拍数増加、急な体重増加、むくみなどが報告されている。

副作用が疑われる場合は使用を中止し、添付文書を持って医師または薬剤師に相談する。自己判断で使用回数を減らして継続しない。添付文書は必要時に確認できるよう保管し、小児の手の届かない場所に保管する。特に押さえておきたいのは、皮膚トラブルと初期脱毛である。

皮膚トラブル|かゆみ・かぶれ・赤み

ミノキシジル外用薬で比較的多く見られる副作用が、頭皮のかゆみやかぶれ、赤みなどの皮膚症状である。頭皮が赤くなったり、かゆみを感じたりする場合がある。

原因はミノキシジルそのものに限らない。製品に含まれるエタノールやプロピレングリコールなどの溶剤が刺激となり、頭皮トラブルを引き起こすこともある。

症状が出た場合は、いったん使用を中止し、皮膚科に相談することが望ましい。軽い症状であれば、使用回数を1日1回に減らすことで落ち着くケースもある。ただし、自己判断で続けるのではなく、医師の指示に従うことが重要だ。

敏感肌の人は、使用前にパッチテストを行い、肌に合うか確認してから使うと安心である。

参考:厚生労働省「ミノキシジルのリスク区分について」
参考:大正製薬「発毛剤と育毛剤の効果の違い」(リアップヘアケアコンテンツ)

初期脱毛|治療開始後に一時的に抜け毛が増えることがある

もうひとつ知っておきたいのが、初期脱毛である。

これは、ミノキシジル外用薬を使い始めてから2週間〜1ヶ月ほどの時期に、一時的に抜け毛が増える現象を指す。

抜け毛が増えると、「薬が合っていないのではないか」「薄毛が悪化したのではないか」と不安になる人も多い。その結果、途中で使用をやめてしまうケースもある。しかし、自己判断で中止するのは避けたい。

ミノキシジル外用薬の使用開始後に、一時的に抜け毛が増えたように感じる場合がある。薬理作用に伴う一時的な変化と考えられることもあるが、効果が出ている証拠とは断定できない。抜け毛が強い場合、長引く場合、急激な脱毛や斑状脱毛、頭皮の赤み・かゆみを伴う場合は、使用を中止し、医師または薬剤師に相談しよう。

効果を実感するまでには「最低4ヶ月」の継続が必要

ミノキシジル外用薬に即効性はない。

髪は1ヶ月に約1cm程度しか伸びないため、新しく生えた髪が目で確認できる太さや長さになるまでには、どうしても時間がかかる。

製品の添付文書にも記載されているように、効果を判断するには、少なくとも4ヶ月間は毎日継続して使用する必要がある。実際には、6ヶ月から1年ほど続けてから変化を実感する人も多い。

1〜2ヶ月使っただけで「変化がない」と判断してやめてしまうのは、効果判定としては早すぎる。AGA治療では、短期間で結果を求めすぎず、一定期間続ける姿勢が大切である。

継続するコツとしては、頭部の写真を定期的に撮っておく方法がある。毎日鏡で見ていると小さな変化に気づきにくいため、1ヶ月に1回、同じ場所・同じ照明・同じ角度で写真を残しておくと、変化を客観的に比較しやすい。

塗り忘れを防ぐには、すでに習慣化している行動とセットにするとよい。たとえば、「歯磨きの後」「入浴後」「朝の身支度の前」など、日常の流れに組み込むことで、無理なく続けやすくなる。

参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」

家族やパートナーに知られたくない場合の工夫

「薄毛治療をしていることを周囲に知られたくない」と感じる人もいる。特に家族やパートナーに気づかれることを気にして、治療を始められないケースもあるだろう。

対策としては、まず外箱を処分し、ボトルだけで保管する方法がある。パッケージが目立たなくなるだけでも、心理的な負担は軽くなりやすい。

また、洗面所ではなく、自分の部屋やバッグの中など、人目につきにくい場所に保管するのも一つの方法だ。使用するタイミングも、家族が寝た後や一人になれる時間帯に調整すれば、周囲に気づかれにくくなる。

ただし、保管場所には注意が必要である。極端に高温または低温になる場所、直射日光が当たる場所は避けるべきだ。製品の品質を保つためにも、添付文書に記載された保管方法を守ることが大切である。

一方で、治療を隠し続けること自体がストレスになる場合もある。信頼できるパートナーであれば、あらかじめ伝えておくことで、気持ちが楽になることもあるだろう。無理に打ち明ける必要はないが、治療を続けやすい環境を整えることも、AGA対策では重要なポイントである。

参考:PMDA「リアップX5プラスネオ 添付文書」
参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」
参考:厚生労働省「医薬品副作用被害救済制度」

AGA市販薬に関するよくある質問

最後に、AGA市販薬についてよくある疑問を整理しておく。使用前に不安を解消しておくことで、治療を始めるかどうか、また市販薬を継続するかどうかを判断しやすくなる。

市販薬と処方薬では効果に違いがあるのか

同じ成分・同じ濃度であれば、発毛効果に大きな差はないと考えられている。たとえば、市販されているミノキシジル5%外用薬と、クリニックで処方されるミノキシジル5%外用薬は、同程度の発毛効果が期待できる。

ただし、市販薬とクリニック治療では、選べる治療法に違いがある。市販薬は基本的に外用薬によるケアが中心だ。一方、クリニックではフィナステリドやデュタステリドなど、抜け毛の進行を抑える内服薬を処方できる。

AGA治療では、内服薬による「抜け毛を抑える治療」と、外用薬による「発毛を促す治療」を組み合わせることで、より高い効果が期待できるとされている。市販薬は外用薬単独での対策になるため、その点は理解しておきたい。

途中で使用をやめると進行するのか

AGAは進行性の脱毛症である。そのため、ミノキシジル外用薬を使用している間は発毛や進行抑制が期待できるものの、使用をやめるとその効果は徐々に失われる可能性がある。

中止後は、抑えられていたAGAの進行が再び始まり、数ヶ月かけて治療前の状態に近づくことがある。また、年齢に応じて進行した状態へ戻る可能性もある。いわゆる「リバウンド」と感じる場合があるが、実際には薬で支えられていた状態が解除されるイメージに近い。

ミノキシジル外用薬は、短期間だけ使って終わる治療ではない。効果を維持したい場合は、長期的な継続を前提に考える必要がある。

20代でも使えるのか、未成年は使用できるのか

市販のミノキシジル製剤は、20歳以上であれば使用可能とされている。一方で、未成年は使用できない。

市販のミノキシジル外用薬は、20歳以上を対象に臨床試験が行われている。そのため、未成年に対する安全性は確立されていない。10代で薄毛が気になる場合でも、自己判断で市販薬を使うのは避けるべきである。

未成年の薄毛には、AGA以外の原因が関係していることもある。円形脱毛症や甲状腺疾患、栄養状態、ストレス、皮膚疾患などが背景にあるケースも考えられるため、まずは皮膚科専門医に相談することが大切だ。

個人輸入の海外製ミノキシジルタブレットは安全なのか

個人輸入で入手したミノキシジルタブレットの服用は推奨されない

「ミノタブ」と呼ばれるミノキシジル内服薬は、海外製品が安価に個人輸入されていることがある。しかし、これらは日本の厚生労働省に承認されたAGA治療薬ではない。心血管系への負担、全身の多毛、むくみなど、重い副作用につながるリスクもある。

また、個人輸入品には偽造医薬品が紛れている可能性も否定できない。万が一、健康被害が起きた場合でも、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる点にも注意が必要である。

ミノキシジル内服薬は、AGA治療目的では日本国内で承認されていない。日本皮膚科学会ガイドライン2017年版では推奨度D「行うべきではない」とされているため、自己判断での服用や個人輸入は避ける。内服治療を検討する場合は、国内で承認された治療薬の適否も含めて医師に相談する。

参考:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
参考:日本皮膚科学会「国内未承認のいわゆる発毛薬の服用が原因と考えられる健康被害の発生について」
参考:PMDA「医薬品副作用被害救済制度」

AGA市販薬を選ぶ前に育毛剤と発毛剤の違いを理解しておこう

本記事では、AGA市販薬の選び方や継続するためのポイントについて、薬機法上の分類、有効成分のエビデンス、副作用リスクなどの観点から整理した。

AGA市販薬を選ぶ際に重要なのは、「育毛剤」と「発毛剤」の違いを理解することだ。国内で発毛効果が承認されている市販成分はミノキシジルであり、AGAによる薄毛対策を目的とする場合は、第1類医薬品に分類される発毛剤を選ぶ必要がある。

ミノキシジル5%外用薬は、日本皮膚科学会のガイドラインでも推奨度Aとされている。製品を選ぶ際は、ブランド名や価格の高さだけで判断するのではなく、成分濃度、月々のコスト、使用感などを総合的に見て、無理なく続けられるものを選ぶことが望ましい。

また、効果を判断するには最低でも4ヶ月の継続使用が必要とされている。ミノキシジル外用薬の使用開始後に、一時的に抜け毛が増えたように感じる場合がある。薬理作用に伴う一時的な変化と考えられることもあるが、効果が出ている証拠とは断定できない。抜け毛が強い場合、長引く場合、急激な脱毛や斑状脱毛、頭皮の赤み・かゆみを伴う場合は、使用を中止し、医師または薬剤師に相談する。

市販薬を続けても改善が見られない場合や、薄毛の進行が明らかに早い場合は、外用薬だけでは十分でない可能性がある。その際は、内服薬を含めた治療選択肢について、医療機関で相談することを検討したい。

記事のまとめ
  • 国内で発毛効果が承認されている市販成分はミノキシジルである
  • AGA対策では、第1類医薬品に分類される発毛剤を選ぶことが重要だ
  • ミノキシジル5%外用薬は、日本皮膚科学会のガイドラインで推奨度Aとされている
  • 価格だけでなく、継続しやすいコストや使用感も確認したい
  • 効果を実感するには、最低4ヶ月の継続使用が必要である
  • 初期脱毛が起きても、自己判断で中止せず、必要に応じて専門家へ相談することが大切だ
  • 市販薬で十分な改善が得られない場合は、医療機関での治療も選択肢となる

AGA市販薬を選ぶ前の最終チェックリスト

AGA市販薬を選ぶ前に、以下の項目を確認しておきたい。

最終チェックリスト
  • パッケージに「第1類医薬品」と記載されているか
  • 成分表に「ミノキシジル5g(5%)」と記載されているか
  • 毎月の費用は無理なく支払える範囲か
  • 1日2回、朝晩の使用を生活習慣に組み込めるか
  • 変化がすぐに出なくても、最低4ヶ月は続ける前提で始められるか
  • 初期脱毛が起きた場合でも、落ち着いて対応できるか
  • かゆみや赤みなどの副作用が出たときに、医師や薬剤師へ相談できるか

AGAは早めに対策を始めるほど、治療の選択肢を広げやすい。

市販薬で対応できる段階もあるが、症状が進行している場合や効果を感じにくい場合は、皮膚科専門医や泌尿器科、内科などの医療機関で相談するとよいだろう。

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八丁堀内科・泌尿器科・消化器内科イサナクリニックは、2024年4月より、泌尿器科・消化器内科をはじめ、一般内科や健康診断など幅広い診療に取り組んできました。本コラムでは、日々の診療で得た知見をもとに、近年ニーズが高まっている「オンライン診療」について解説しています。なかでもAGA治療のオンライン診療に焦点を当て、最新動向から基本の理解、クリニック選びで押さえるべきポイントまでを、できるだけ噛み砕いてお伝えします。

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